幸せのちから

クリス・ガードナーは骨密度を測定する新型医療器械のセールスをしていた。大金をはたいてこの医療機器を購入したが、セールスはうまくいかず、妻のリンダのパートで生活をなんとか乗り切っていた。

そんな彼に愛想をつかし、リンダが出て行ってしまう。その後、クリスと一人息子のクリストファーの二人だけの生活が始まる。

あるとき、真っ赤なフェラーリに乗っていた男に「株の仲介人をしている。学歴がなくてもいい」と聞き、クリスは株に興味を持ち、証券会社の養成コースに願書を提出する。しかし、6か月の無給で働かなければならず、また働いた後に正社員になれるのは20名中1人だけ。クリスはインターン生としてその会社で働きながら、息子クリストファーと教会や駅のトイレなどで休息をとるホームレス生活をし始める。

 

感想:

実話ということでずっと気になっていた作品。

家賃も税金も払えず苦しい生活を送りながら、6か月のインターンで20人中1人しか正社員になれないというリスクを背負いながら、寝泊りしている教会の窓側にたって朝日を電気代わりに分厚い株の教科書を読んでいるクリスの姿は強烈でありまた美しかった。

無事テストをパスし正社員となったあと、会社を飛び出して忙しそうに行きかうビジネスマンたちの中に紛れてようやく手にした幸せをかみしめる姿は涙を誘う。

学歴や忙しさ、いまの状況を理由にして何かをあきらめる必要はなく、いつでも人生は自分の行動で変えられる、ということを教えてくれる。

 

 

幸せのちから (字幕版)

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ショーシャンクの空に

若くして銀行副頭取のアンドリュー・デュフレーン(アンディ)は、妻とその愛人を殺害した疑いをかけられ、無実を訴えるもショーシャンク刑務所への服役が決まる。

アンディは、最初こそ孤立していたものの、長年服役しているレッドやその仲間たちと交流を深めていく。また、刑務官たちの税務処理や資産運用を行い、刑務所内の図書係も務めるなど自分の役割を獲得し、刑務官たちにも一目置かれるようになる。

そんな中、自分の無罪を証明するカギをにぎる人物が新人としてショーシャンク刑務所に服役してくる。

 

 

感想:

最初はまったく刑務所の生活に順応できなかったアンディが、自分から積極的に仲間に話しかけたり、刑務官に遺産相続のアドバイスをすることで仲間や刑務官たちからも一目置かれていくシーンや図書係として本やレコードを仕入れるための予算を議会に請求したり(週に1,2回手紙を送り続けていた)、字が読めない受刑者に勉強を教えたりする場面を見ると「現状を嘆くのではなく、置かれた場所で咲くことが大事なんだな」と感銘を受けるが、映画のラスト30分で彼がその行動をとり続けた意味をようやく理解し、いい意味で裏切られる。

一緒に刑務所に入った受刑者が初日で刑務官により殺されたりと、つねに暴力と死の恐怖にさらされながらも希望を捨てず今できることを探し続けるアンディからは学ぶことがたくさんある。

 

ショーシャンクの空に [DVD]

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ショーシャンクの空に(字幕版)

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裏切りの街

あらすじ

菅原裕一(池松壮亮)はフリーターで、彼女であり会社員をしている鈴木里美(中村映里子)と同棲している。裕一はバイトを無断欠勤し、里美の好意に甘えて職も決めずにだらだらと過ごしている。里美に甘えてばかりではだめだ、と思いつつもずるずる無断欠勤を繰り返す毎日の中、裕一は出会い系の掲示板で出会った橋本智子(寺島しのぶ)と不倫関係に陥る。

特に生活に不満もない、だけどなんとなく満たされない。そして、責任も取りたくない。退屈な毎日を持て余した二人は意気投合し、ずるずると関係を続けてしまう。

 

裕一は安全なところでゆらゆらして、周りを傷つけるとわかっていても退屈を埋めたい、でも自分が悪者にはなりたくない。責任をとりたくない。

そういう中途半端な生き方をしながらも、どこか憎めない青年。

裕一の彼女の里美も彼を裏切りながらも、自分の生き方を定められない。

裕一も自分を裏切った親友や里美を怒れない。嫌われたくないから。

裕一の親友の今井伸二も彼を裏切った罪悪感としっかり向き合わず「これで仲悪くなるのは面倒くさいじゃん」と軽く言ってのける。

みんな本音を覆い隠して責任から逃れて、ふらふら生き続ける。

話し合い、きちんと謝る。ちゃんと本人の前で決意もする。

しかしながら、翌日からまたふらふらとこれまでの日常(裏切り)に戻っていく。

誰も責任を取りたがらないし、中途半端なことばかりしているためか、大きな問題が起こってもなんとかなる。相手も中途半端な生き方をしているためか、許してもらえる。人のことを叱れる立場にいないから。その権利がないから。

主人公たちはけして嫌な奴ではない。普通の善良な人間だ。

それでも、自分や相手のダメな部分にふたをしてへらへらしてごまかしていく彼らの生き方は、楽だろうけど嫌だなあと思ってしまう。

自分は人を傷つけてでも楽をしたい、でも悪者にはなりたくない。責任をとりたくない。

現代に多い(若者だけでなく上の世代にもたくさんいる)人の心理をうまく描いてある秀作。

 

 

裏切りの街 [DVD]

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どんな治療を受けてもよくならなかった場合

 

あなたを困らせる遺伝子をスイッチオフ!  ―脳の電気発射を止める魔法の言葉― (SIBAA BOOKS)

あなたを困らせる遺伝子をスイッチオフ! ―脳の電気発射を止める魔法の言葉― (SIBAA BOOKS)

 

 

「〇〇さん、すげー」と唱えるだけで、自分を苦しめていた原因不明の体調不良が治ると聞くと、どんな気持ちになるだろうか?

「〇〇さん、すげー」と唱えるだけで、目の前の嫌いな人の態度が変わるとしたら?

”尊敬”は自分を苦しめていた遺伝子のスイッチをオフにする効果があるという。

特徴的遺伝子をオフにすると、とたんに自分の脳内で繰り広げられていた嫌いな相手や自分への罵詈雑言をストップすることができ、目の前の現実をそのまま受け入れられるようになる。

「自分は不幸だ」という被害妄想からも抜け出すことができ、「〇〇さんすげー」と唱えるだけで、相手のいいところを引き出すことができ、関係が良好になる。

そして、目の前の現実を受け入れることで、自分の足りない部分が見えてくるようになり、その克服に向けて自然と努力できるようになり、理想の自分に近づくことができる。

 

なぜこういうことが起きるのか。

筆者の仮説によれば、「〇〇さん。すげー」と唱えると〇〇さんの脳と自分の脳がミラーニューロンによってつながり、遺伝子情報を含んだ〇〇さんの姿が自分の脳内に映し出されるのだという。そうして”一体感”を得ることができ、人を信頼することができ安心を得ることができる。

人は遺伝子レベルでお互いに影響しあっていて、自分の遺伝子が変わると、周りの遺伝子も変わるのだという。

ある心理学者が「自分の周りがくだらない人間だらけならば、答えは簡単。あなたがくだらないのだ」と厳しい言葉を言っていたが、人と人が遺伝子レベルでつながっているのだとしたら、それも納得だ。

あるいは、「自分が相手を批判することによって、相手の良いところを引き出すことに失敗している」のかもしれない。ミラーニューロンによって、もし自分が相手の批判をしていれば、それが相手の脳に伝わり、本当に相手のパフォーマンス力が落ちるという。

「あの人はだめだ」と思うと、相手が「自分はなんとだめなやつなんだ」と思い込んでしまい、それによって失敗しさらに「やっぱり自分はだめなんだ」と信じてしまうという悪循環においやってしまう。

 

「最近うまくいかない」

と思っている人は、「〇〇さん、すげー」と相手のいいところをたたえるところから始めてみては?

 

 

 

 

人生はいまから変えられる

 

スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック

スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック

 

 父親はアルコール中毒。母親は深刻なうつ病。家では夫婦げんかが絶えず、学校ではいじめられる。

そんな著者が偶然立ち寄った手品用品店で出会った女性、ルースに自分の人生を変えるマジックを習い、いじめを克服し、医者になるという夢をかなえていく。

 

この人生を変えるマジックというのがマインドフルネスであり、瞑想を習慣にして願いを描くことで筆者はあり得ない状況から願いをかなえていく。(借金を返さないといけない時になぜかお金が払える状況になったり、医大に行くことを決めたら余った願書をクラスの子からもらえたり)

 

いまに集中せず頭の中の声を聴くことで起こる弊害を説明し、それをマインドフルネスでどのやって取り除けるのか、それがすごくわかりやすく書かれているし、著者の人生から得た教訓もすごくためになる。

どん底の中にいても考え方次第で人生は変えられる、と背中を押してくれる本。

 

興味がある方は、下の記事も読んでみてください。

president.jp

 

教養の育て方

 

勉学術

勉学術

 

 

著者の教養に対する考え方、教養を深めるための本の読み方、また外国語の勉強の仕方まで学ぶためのヒントがたくさん詰まった本。

 

個人的に面白かったポイント。

・言語

主流言語はラテン語を基盤としている。カトリックの宣教師が外国語をすぐ覚えてしまうのはこのため。

ラテン語とギリシャ語を学ぶだけでその他多くの事柄が理解しやすくなるので、海外の上級学校ではまずラテン語とギリシャ語から学ぶ。

・カント

カント「純粋理性批判」は一見難解だが、内容はそこまで難しくない。人間は、時間、数、大きさといった概念をすでにもち、それを通して物事を判断するため、目の前の出来事をありのまま認識しているわけではない。理性、悟性、感性には限界がある。つまり、人間には世界にあるいっさいのものを認識する能力はない、ということを言っている。

・本の読み方

本を読んで考えて初めて独学となる。

速読のコツ とにかくたくさんよむことt

就寝の1-2時間前に本を読む

傍線を引く。書き込みをする。端をおる

 ・教養とは

知識は自分の欲を満たすための道具ではない。

教養のある人は身に着けた知恵によって人間の善を実現化させている

 ・なぜ聖書を読むべきか

宗教はあらゆる文化のベース

聖書は人間と神の関りが描かれており、法律の原型にもなっている(賠償金でもめ事を解決する、という方法)

・外国語を習得するためのコツ

読めなければ話せない。まず読む力を鍛える。

結局、外国語は道具にすぎない。翻訳だけでは理解が難しいニュアンスを把握したり、資料を正確に理解するために身に着けるための道具。なので、多読は欠かせない。

また、中身のある会話をするためには、やはり読む力は大切。

資料や論文を読むための外国語を習得するのがストレートな道。

 

外国の一流新聞や論文を読むよりも、会話をすることや小説を読むほうが難しい。

現地の人間にしかわからないニュアンスや感性を理解できないといけないからだ。

そう考えると、読む力を鍛えるのはそれほど難しくない。

 

構文の習得をすることは、資料を読み理解するために必要。

習得するために、構文を含んだ文章(はじめは30種類)を書く。(文章をだいたい200-300行書けばいい)

外国語ができる人は日本語も正しいきれいな文章で話す。日本語で内容のあることを話せない人は、外国語でも当然話せない。

語学は理解がものをいう。多読、教養を深める過程で身に付きやすくなる。結局のところ、言葉は文化だからである。

・名著に書かれてあることをうのみにしない。

あらゆる論は仮説にすぎない。なので、書かれていることを疑いながら読むことが大事。

時代によって言葉の意味は違う。知ってる言葉が出ても著者や時代によって意味が異なる可能性があるので、常に調べることは不可欠。

 

正直「外国語の勉強方法はもう嫌になるほど聞いたし調べたからいらない」と思っていたが、「なぜ最初に読む力を鍛えなければいけないのか」著者の記した理由に納得してしまった。

そうそう、自分の意見を正しく伝えること、文化や時代背景、正しいニュアンスを理解して相手の意見や書かれていることを理解するために言語を学んでいるんだから、語彙力や読解力は欠かせない。

もちろん、難解な洋書が読めてもちゃんとそれを口に出す練習をしなければ絶対外国語は話せない(発音するときに使う筋肉が違うから)が、自分はまず読む力を鍛えないとだめだと思った。

また、ほかにも面白かったところは、著者が難解な本を読むときは眺め読みをすればいい。そして、丁寧に扱うのではなくソファーや食事のときにそばに置いていつでもページをめくれるようにする。すると、その本が自分の生活に自然となじみ、だんだん内容が頭にはいってきやすくなる。また、疑問に思ったことはノートに書いておけば、偶然その答えに出会う日が来る、という抽象的で不思議な経験を大事にし信頼しているところである。

本書でも、

「語りえぬものについては沈黙しなければならない」というヴィトゲンシュタインの言葉を紹介し、この場合語りえぬものとは、神にかかわる神秘的なもろもろの事柄のことであり、言語表現には限界があるので、それを無理に表現しようとすると間違ったことを語ってしまう、という意味であると説明している(ヴィトゲンシュタインはカトリック)

著者もはっきり言葉では言い表せないような事柄を大事にしているように思えた。

 

 

本を読むと、著者の主張や書かれている出来事をそのまま頭にコピーしてしまうリスクがあるが、この本は「その本から得た知識でどうやって自分の考えを生み出すか」を教えてくれる。

 

 

脳によい生活習慣を心がければ、無理をしなくともパフォーマンスの質はあがる。

 

疲れない脳をつくる生活習慣―働く人のためのマインドフルネス講座

疲れない脳をつくる生活習慣―働く人のためのマインドフルネス講座

 

 

題名通り、脳を疲れさせない生活習慣を紹介した本。

深い睡眠をとる方法、パフォーマンスの質をあげる方法などが紹介されており、どれも無理なく生活に取り入れられるようなレベルでさっそく実行してみようと思えるものばかり。

特に勉強になった記述。

 

・朝食を抜くと脳が飢えの危機を感じ、昼食時間に大量のインスリンを放出する→血糖値が下がる、肥満につながるリスクが高まる

・炭水化物のみを取ると眠くなるので、必ずタンパク質と一緒に取る。→代謝がよくなり、血糖値の上昇を防げる。

・休日の寝だめは体内時計をくるわせる

・息をゆっくり長く吐くと、セロトニンの分泌が増え、ストレスが軽減する。パフォーマンスを高める。

・食べながら別のことをすると脳の負担が増え、噛む回数も減ってしまう。パフォーマンスの質が下がる。

・瞑想によって、脳の構造そのものが変わる。

  ①偏桃体が縮小→イライラしたり、カッとなることが少なくなる。

  ②前頭前野や海馬で神経細胞の密度が増加→記憶が定着しやすくなる。

 

・6時間睡眠の人は7時間睡眠の人と比べての脳の老化が2倍のスピードで進む

・睡眠がとれないと、グレリンという消化管から分泌されるホルモンが増える

逆だと、レプチンという脂肪細胞から分泌される食欲を抑えるホルモンが増え、グレリンの増幅を防ぐ→やせやすくなる。

 

ほかにも脳に良い生活習慣についていい情報がたくさん書かれているので、ぜひ読んでみてください。