教養の育て方

 

勉学術

勉学術

 

 

著者の教養に対する考え方、教養を深めるための本の読み方、また外国語の勉強の仕方まで学ぶためのヒントがたくさん詰まった本。

 

個人的に面白かったポイント。

・言語

主流言語はラテン語を基盤としている。カトリックの宣教師が外国語をすぐ覚えてしまうのはこのため。

ラテン語とギリシャ語を学ぶだけでその他多くの事柄が理解しやすくなるので、海外の上級学校ではまずラテン語とギリシャ語から学ぶ。

・カント

カント「純粋理性批判」は一見難解だが、内容はそこまで難しくない。人間は、時間、数、大きさといった概念をすでにもち、それを通して物事を判断するため、目の前の出来事をありのまま認識しているわけではない。理性、悟性、感性には限界がある。つまり、人間には世界にあるいっさいのものを認識する能力はない、ということを言っている。

・本の読み方

本を読んで考えて初めて独学となる。

速読のコツ とにかくたくさんよむことt

就寝の1-2時間前に本を読む

傍線を引く。書き込みをする。端をおる

 ・教養とは

知識は自分の欲を満たすための道具ではない。

教養のある人は身に着けた知恵によって人間の善を実現化させている

 ・なぜ聖書を読むべきか

宗教はあらゆる文化のベース

聖書は人間と神の関りが描かれており、法律の原型にもなっている(賠償金でもめ事を解決する、という方法)

・外国語を習得するためのコツ

読めなければ話せない。まず読む力を鍛える。

結局、外国語は道具にすぎない。翻訳だけでは理解が難しいニュアンスを把握したり、資料を正確に理解するために身に着けるための道具。なので、多読は欠かせない。

また、中身のある会話をするためには、やはり読む力は大切。

資料や論文を読むための外国語を習得するのがストレートな道。

 

外国の一流新聞や論文を読むよりも、会話をすることや小説を読むほうが難しい。

現地の人間にしかわからないニュアンスや感性を理解できないといけないからだ。

そう考えると、読む力を鍛えるのはそれほど難しくない。

 

構文の習得をすることは、資料を読み理解するために必要。

習得するために、構文を含んだ文章(はじめは30種類)を書く。(文章をだいたい200-300行書けばいい)

外国語ができる人は日本語も正しいきれいな文章で話す。日本語で内容のあることを話せない人は、外国語でも当然話せない。

語学は理解がものをいう。多読、教養を深める過程で身に付きやすくなる。結局のところ、言葉は文化だからである。

・名著に書かれてあることをうのみにしない。

あらゆる論は仮説にすぎない。なので、書かれていることを疑いながら読むことが大事。

時代によって言葉の意味は違う。知ってる言葉が出ても著者や時代によって意味が異なる可能性があるので、常に調べることは不可欠。

 

正直「外国語の勉強方法はもう嫌になるほど聞いたし調べたからいらない」と思っていたが、「なぜ最初に読む力を鍛えなければいけないのか」著者の記した理由に納得してしまった。

そうそう、自分の意見を正しく伝えること、文化や時代背景、正しいニュアンスを理解して相手の意見や書かれていることを理解するために言語を学んでいるんだから、語彙力や読解力は欠かせない。

もちろん、難解な洋書が読めてもちゃんとそれを口に出す練習をしなければ絶対外国語は話せない(発音するときに使う筋肉が違うから)が、自分はまず読む力を鍛えないとだめだと思った。

また、ほかにも面白かったところは、著者が難解な本を読むときは眺め読みをすればいい。そして、丁寧に扱うのではなくソファーや食事のときにそばに置いていつでもページをめくれるようにする。すると、その本が自分の生活に自然となじみ、だんだん内容が頭にはいってきやすくなる。また、疑問に思ったことはノートに書いておけば、偶然その答えに出会う日が来る、という抽象的で不思議な経験を大事にし信頼しているところである。

本書でも、

「語りえぬものについては沈黙しなければならない」というヴィトゲンシュタインの言葉を紹介し、この場合語りえぬものとは、神にかかわる神秘的なもろもろの事柄のことであり、言語表現には限界があるので、それを無理に表現しようとすると間違ったことを語ってしまう、という意味であると説明している(ヴィトゲンシュタインはカトリック)

著者もはっきり言葉では言い表せないような事柄を大事にしているように思えた。

 

 

本を読むと、著者の主張や書かれている出来事をそのまま頭にコピーしてしまうリスクがあるが、この本は「その本から得た知識でどうやって自分の考えを生み出すか」を教えてくれる。